Q1.
骨盤底筋って何? 

骨盤底筋とは、文字通り骨盤の底部にハンモックのような状態で骨盤底を構成するインナーマッスル、「会陰横筋」「尿生殖隔膜」「肛門括約筋」「肛門挙筋」などの総称です。複数の筋の集合体であるため骨盤底筋群とも呼ばれます。
骨盤底筋は、子宮や膀胱(ぼうこう)及び腸などの内部臓器が下がってこないように下から支えたり、排便を促したり、尿道や肛門を締める重要な役割を果たしています。腕や筋肉と違って、自分ではなかなか意識できない筋肉です。

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Q2.骨盤底筋が衰えるどうなるの

骨盤底筋は、体幹を支える背中の筋肉や、お尻や内ももの筋肉群とも連動しています。肥満や運動不足、加齢、女性の場合は妊娠・出産によって骨盤底筋がゆるむことで姿勢が悪くなったり、尿トラブル等のさまざまな不調を引き起こす原因となります。

●尿もれ・頻尿

骨盤底筋には尿道を開閉する働きがあるため、衰えると、この機能がうまく働かなくなり、尿もれ(腹圧性尿失禁)や頻尿(過活動膀胱)といった排尿障害が生じやすくなります。

●便秘

骨盤底筋には肛門を開閉する働きもあります。衰えると、便を出したいときにうまく出せない機能性便秘になったり、便失禁などの排泄障害が起こりやすくなります。また便秘をすると、排便時に強くいきむことで骨盤底筋に負担がかかり悪循環となります。

腰痛

骨盤底筋は、背骨を正しい位置で維持している「多裂筋」と連動して体幹を支えているため、衰えると、うまく腹圧を作ることができず、体幹が不安定になります。そうすると姿勢が悪くなって体型が崩れ、腰痛を引き起こす原因となります。

冷え性

骨盤底筋がゆるむと内臓器官が下に落ち込んで、大腸や血管を圧迫します。そのため血流が悪くなり、冷え症やむくみなどの症状を引き起こします。

Q3.骨盤底筋男女違うの?

男性と女性の違いの第一は、もともと女性は男性に比べて筋肉量が少ないという性差があるところです。

第二は、男性の骨盤底筋は穴が1つ(肛門)であり、縦長で狭く、支えているものが少ない(腸・膀胱)のに対して、女性は穴が3つ(尿道・膣・肛門)あり、横長で広く、支えているものが多い(腸・膀胱・子宮・卵巣)という構造的な違いです。

【女性の骨盤】

【男性の骨盤】

​障害になりやすいのは圧倒的に女性です

そして第三は、妊娠・出産で受ける大きなダメージです。女性の場合は妊娠・出産の経験が骨盤底筋がゆるむ一番の原因となっており、1度でも20週以上の妊娠を経験したことのある女性は、何らかの形で骨盤底筋が傷つき、10~40代の出産経験者の女性4人に3人が「腹圧性尿失禁」に悩んでいるといわれています。

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●女性ホルモンの変化

妊娠中には、赤ちゃんが産道をスムーズに通り抜けられるように靭帯や筋肉を緩める女性ホルモンの分泌が増加し、骨盤底筋も緩みます。また閉経前後の女性ホルモンが著しく低下する更年期では、筋肉の衰えに加えて、皮膚と皮下組織が弱っていくため、陰部が痒くなったり痛くなったりするなど、骨盤底障害が進んで、尿漏れが悪化したります(GSM=「閉経関連尿路生殖器症候群」。

 

●出産・産後

出産時は赤ちゃんが通る産道に強い力がかかり、骨盤底筋が切れしまったり、伸びてしまったりして大きなダメージを受けます。その影響で約80%の方が尿漏れを経験するといわれています。

産後1年ほど経つと、多くは体が回復して尿漏れは一旦なくなりますますが、受けたダメージは女性ホルモンが低下する更年期頃から表面化してきます。咳やクシャミをした時に漏れる軽い症状から、さらに進むと、子宮や膀胱、直腸の位置が下がり、膣から体外に突出してしまう「骨盤臓器脱」が起こります。

Q4.骨盤底筋鍛えられるの?

骨盤底筋は体の奥にあるため、自分ではなかなか意識できない筋肉ですが、腕や足の筋肉のように、鍛えれば強くなる性質をもっています。 排尿障害の改善や予防、また出産後の骨盤底筋の回復には、継続的に正しいトレーニングを行い、骨盤底筋を強化することが有効であると世界的にも認められています。骨盤底筋先進国フランスでは、骨盤底筋群を含む骨盤底全体のことを「ペリネ」と言い、ペリネケアのためのリハビリ施設が一般的に広く普及しています。

骨盤底筋を鍛える上で最も重要なことは、“自分の筋肉の位置を正しく特定して収縮させる”ことです。見えない部位だけに自己で判断するのは難しく、お尻や腹、太ももなどの違うところに余計な力が入ってしまったりすることも。正しく収縮できているかどうかわからないまま、何となくトレーニングを続けても効果が現れないばかりか、かえって体を痛めてしまう可能性もあります。自己流で行う場合などは注意が必要です。

●ケーゲル体操

1940年代に米国の産婦人科医アーノルド・ケーゲル医師が考案した尿漏れを防ぐための筋力強化療法です。医師の名前から一般にケーゲル体操と呼ばれ、骨盤底筋の位置を把握するために「排尿を途中で止めるイメージで」行います。

①床に仰向けに寝ます。脚を肩幅に開いて膝を立てます。

②息を吐きながら、お尻を締めた状態で腰をゆっくり上げていきます。内ももに力を入れて、肩、背中、膝が一直線になるまで上げます。腰を上げたら、そのまま3秒間停止します。息を吸いながらゆっくりとおろしていきます。

●ガスケアプローチ

フランス人女医ベルナデット・ド・ガスケ医師によって確立された、姿勢と呼吸から骨盤底筋に働きかける身体的アプローチです。人体を包括的にとらえ、身体に備わった生理機能を研究し、ヨガの動きと融合させ開発されました。

ガスケアプローチで大切にされているのは「普段から腹圧をかけないこと」。出産だけでなく日常生活全体の中で、姿勢と呼吸を整え、腹圧をコントロールし、しなやかさのある正常なペリネの機能を維持することで、出産後の女性によく見られる尿漏れや子宮脱などの予防を目指しています。